【突然の麻痺と痛み】犬の椎間板ヘルニアの原因と治療法をわかりやすく解説

犬との暮らし

こんにちは、たまです!

今回は、「犬の椎間板ヘルニア」について解説したいと思います。

この記事は、

  • 飼っている犬が腰痛を持っている方
  • 飼っている犬が足を引きずっていて心配な方
  • 動物病院で犬が椎間板ヘルニアと診断された方
  • 椎間板ヘルニアになる頻度が高いと言われている犬種を飼育している方

におすすめです。

どういう病気かを知らなくても、「椎間板ヘルニア」という言葉を知っている方は多いのではないのでしょうか。

椎間板ヘルニアは、「背骨にある椎間板という物質が神経を圧迫して、色々な症状を出す病気」です。

今回はそんな「椎間板ヘルニア」をしっかり理解しましょう!

たま
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獣医師の中にも椎間板ヘルニアが好きな人が多く、情報が溢れかえっているので、整理しましょう!

犬の椎間板ヘルニアとは

犬の椎間板ヘルニアは、脊髄(神経)が傷つく病気です

人でも存在する病気なので、認知度は非常に高いのではないのでしょうか。

犬の飼い主の方の中でも、ミニチュアダックスを飼育されている方は、日々椎間板ヘルニアの恐怖と戦っていると思います。

では、「なぜ神経が傷つくのか」、「なぜミニチュアダックスで多いのか」などを一緒に見ていきましょう。

そもそも椎間板とは

そもそも椎間板とはなにかご存じでしょうか。

犬でも人でもそうですが、背骨の中には脊髄と呼ばれる神経の束が存在します。

背骨は1本の骨ではなく、脊椎と呼ばれる骨がたくさん繋がったものです。

そして、脊椎と脊椎の間には、椎間板と呼ばれるクッションが存在します。

この椎間板が脊髄を圧迫するのが「椎間板ヘルニア」です。

ちなみに「ヘルニア」は、「元々そこにはない物が、はみ出している事」を指す言葉です。

たま
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他にも横隔膜ヘルニア、会陰ヘルニアなど色々なヘルニアが存在します。

犬の椎間板ヘルニアの原因

犬の椎間板ヘルニアには、原因により2つのパターンがあります

この2つのパターンはHansenⅠ型及びHansenⅡ型と呼ばれます。

これは「椎間板のどこが脊髄側に飛び出しているのか」による分類です。

椎間板は以下の模式図のような形をしています。

赤い部分を「髄核」、黄色い部分を「線維輪」と呼びます。

HansenⅠ型の椎間板ヘルニア

椎間板の中でも、髄核が脊髄側に飛び出し、脊髄を圧迫する椎間板ヘルニアです。

このタイプの椎間板ヘルニアが、ミニチュアダックスやビーグルなどの好発犬種で多発します。

好発犬種は以下のような犬種で、まとめて「軟骨異栄養犬種」と呼びます。

  • ミニチュアダックスフンド
  • フレンチブル
  • ウェルシュ・コーギー
  • ビーグル
  • シーズー
  • コッカースパニエル
  • ペキニーズ

このような軟骨異栄養性犬種では、髄核が1歳くらいから固くなってくるため、脊髄に飛び出しやすくなります。

たま
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多くの人が気にしている椎間板ヘルニアはこっちです。

HansenⅡ型の椎間板ヘルニア

椎間板の中でも、線維輪が分厚くなり、脊髄を圧迫する椎間板ヘルニアです。

HansenⅠ型の椎間板ヘルニアと違い、好発犬種などはありません。

年齢とともに線維輪が分厚くなるので、ゆっくりと進行します。

たま
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こちらのタイプは思ってもいない犬種で発症する可能性があるので、診断されてびっくりするかもしれません。

犬の椎間板ヘルニアの症状

犬の椎間板ヘルニアの症状を解説します。

犬の椎間板ヘルニアにはHansenⅠ型とⅡ型の2種類があります。

出る症状は同じですが、HansenⅠ型は突然症状が現れ、HansenⅡ型はゆっくり症状が現れます

出る症状は以下のようなものです。

  • 抱っこしたときにキャンと鳴く(痛み)
  • 背中を触るとキャンと鳴く(痛み)
  • 後ろ足がうまく動かない(不全麻痺)
  • 後ろ足が完全に動かない(完全麻痺)
  • おしっこがうまくできない

これらはすべて椎間板により脊髄が傷つけられることによって出る症状です。

犬の椎間板ヘルニアでは、腰の部分でヘルニアが起こる場合が多いため、このような症状が出ます。

場合によっては首の部分でヘルニアを起こすこともあり、前足が麻痺することもあります。

たま
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HansenⅠ型のヘルニアの場合、突然キャンっと鳴いてそこから麻痺が始まることがあります。

髄核が突然脊髄を圧迫したときの痛みによるものなんでしょうね。

犬の椎間板ヘルニアの診断

犬の椎間板ヘルニアの診断は、色々な検査をすることで行います。

行う検査は、神経学的検査、X線(レントゲン)検査、CT検査、MRI検査などです。

詳しく見ていきましょう。

神経学的検査

神経学的検査は種類が多く、色々な検査を組み合わせることで診断を行います。

例えば、腰の部分の脊髄が傷つけられていれば膝蓋腱反射(膝を叩くと足が伸びるアレです)が激しくなります。

他にも、強く足をつまんで「痛覚」が残っているかどうかを確認したりします。

こういった反射を見ることにより、総合的に椎間板ヘルニアかどうかの予想をつけていきます。

重要なのは、神経学的検査でわかることには限界があり、「椎間板ヘルニアである」とは全く言い切れないことです

たま
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神経学的検査の目的は、どのあたりに神経の異常があるのかを見分けることです。

X線(レントゲン)検査

まずはじめに、X線検査単独で椎間板ヘルニアを診断することはできません

もちろん、「椎間板ヘルニアっぽいなあ」ということは分かります。

ですがX線検査はどちらかというと、「椎間板ヘルニア以外の病気を除外する」ために行います。

例えば、脊椎の骨折があった場合、神経学的検査でヘルニアなのか骨折なのかを見極めることができません。

このような場合、レントゲンを撮影すると骨折であることが分かり、治療方針を立てることができます。

たま
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椎間板ヘルニアの場合、一部の脊椎と脊椎の間が狭く見えます。

X線検査の目的は、骨折などのレントゲンで分かる病気を除外し、次のCT・MRI検査に進むかどうかの判断をすることです。

CT検査

CT検査は、犬の場合全身麻酔をかけて行います。

CT検査は、X線を使って体を輪切りにするような画像をたくさん撮影することで、立体的な画像を作ることができます。

ですが、CT検査もX線を用いる検査です

基本的に骨などの固い物はハッキリと見ることができますが、神経を見ることはできません。

なので、椎間板の髄核や線維輪の飛び出している部分が固くなっていれば、CT検査で椎間板ヘルニアの診断ができます。

CT検査でわからなかった場合にも、椎間板ヘルニアの可能性が残っているため、MRI検査を合わせて行います。

たま
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髄核や線維輪が固くなることを、石灰化と呼びます。

MRI検査

MRI検査では、神経を画像としてみることができるので、椎間板ヘルニアの診断を行うことができます

さらに、似たような症状を出す他の病気も、ほとんど診断することができます。

しかし、MRIを持っている動物病院は少なく、費用や混み具合の面で問題があります。

たま
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MRIはレントゲンやCTと全く原理が異なる検査です。

レントゲンやCTがX線を利用するのに対して、MRIでは磁力を利用して画像を撮影します。

犬の椎間板ヘルニアの治療

犬の椎間板ヘルニアの治療には、内科的治療と外科的治療があります。

また、治療の効果は「どの程度椎間板によって脊髄が傷つけられているか」によって変化します。

以下が椎間板ヘルニアのグレード分けです。

グレードどのような症状が出るか
1痛みのみ
2歩けるが麻痺によりぎこちない感じ
3歩けないくらいの麻痺
4歩けない+自分でおしっこのコントロールができない
5グレード4の症状+痛覚がなくなる

内科的治療

内科的治療はHansenⅠ型の椎間板ヘルニアで効果があります。

内科的治療の目標は、「飛び出した椎間板(髄核)が吸収されるのを待つこと」です。

内科的治療は、ケージレストとお薬による治療の2本柱で成り立っています。

ケージレスト

ケージレストとは、「大人しくしておいてください」ということです。

人ではそれができますが、犬では難しいため、狭いケージに入ってもらいます。

ケージの狭さは数歩しか動けないものが理想で、3~5日で改善の程度を見ます。

実はこれだけでグレード1,2の椎間板ヘルニアの90%、グレード3,4の椎間板ヘルニアの50%が改善すると言われています

たま
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「狭いところに押し込んでかわいそう」と思う気持ちは理解できますが、ケージレストができないと治療が成功しづらいのも事実です。

お薬による治療

お薬による治療はNSAIDsやステロイドにより行われます。

どちらのお薬も炎症を抑える効果があり、脊髄の腫れを引かせることで痛みを取り除くことができます。

ですが、痛みがないと犬が動いてしまうので、お薬を投与しない獣医師の方もいらっしゃいます。

実際に使われる薬は以下のようなものです。

  • NSAIDs

メロキシカム(商品名:メタカム、メロキシリンチュアブル)、フィロコキシブ(商品名:プレビコックス)、ロベナコキシブ(商品名:オンシオール)

  • ステロイド

プレドニゾロン(商品名:プレドニゾロン)

たま
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どちらの薬もある程度副作用があるため、長期間使用するのは避けたいところです。

外科的治療

外科的治療は手術のことで、直接飛び出ている椎間板物質を取り除きます

外科手術では、グレード1~4の椎間板ヘルニアの90%以上で改善が見られるとされています。

グレード5の椎間板ヘルニアの治療には外科手術が必要で、発症から早いほど改善の確率が高いとされています。

(昔は「48時間以内に手術しなければ治らない」と言われていましたが、現在は「早ければ早いほど良いが、48時間以上経っても治るときは治る」と言われています。)

たま
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外科手術はすべての獣医師ができる手術ではありません。

ホームページ上に表記がある病院を選びましょう。

犬の椎間板ヘルニアの予防

犬の椎間板ヘルニアは予防することができません。

椎間板は出るときは出てしまうものです。

椎間板ヘルニアになった後、ある程度の筋肉量がなければリハビリに苦戦するので、普段から健康的な生活を送って筋肉をつけてあげましょう。

たま
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肥満を防ぎ、腰への負荷を減らすことが予防につながる可能性はあります。

まとめ:犬の椎間板ヘルニア

いかがでしたでしょうか。

椎間板ヘルニアという言葉を知っていても、内容は知らないことが多かったのではないでしょうか。

今回の記事を読んで知識を身に着け、もしそれっぽい症状が出た場合には、すぐに動物病院に行きましょう。

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