【犬が下痢をした】犬の下痢・血便の原因と治療法を解説

犬との暮らし

こんにちは、たまです!

今回は多くの人が悩まされる「犬の下痢」について解説します。

今回の記事はこんな方におすすめです。

  • 飼っている犬が下痢をして困っている方
  • 飼っている犬が血便をしたという方
  • 犬が下痢をして病院に行くべきかどうか悩んでいる方
  • よくある犬の病気を知りたい方

では内容に入る前にまず結論からいきましょう。

「犬の下痢は1,2日なら様子見でも大丈夫。それ以上続くなら動物病院へ行きましょう。」

これが一番シンプルな結論です。

たま
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さすがにこれだけでは納得できない人は、一緒に内容を見ていきましょう!

犬の下痢はなぜ起こる?

下痢はなぜ起こるか考えたことがあるでしょうか。

下痢は便に通常より多くの水分が含まれる現象です。

下痢が起きる理由は大きく2つにわけることができます。

  • 消化管で水分を十分吸収できていない
  • 消化管で水分が分泌されている

下痢の治療では、この2つの異常をストップすると同時に、これを引き起こすような原因を治療していくことになります。

たま
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こう聞くと治療は簡単そうに見えませんか?

犬の下痢の種類

犬の下痢は、どの部位が下痢を引き起こしているかによって分類ができます。

また下痢が起きている期間によって、急性(1~2週間以内)及び慢性(約1か月以上続く)の下痢にも分類できます。

この分類は、「下痢の原因」を考える場合にも使いますが、「下痢の深刻さ」を考える際に便利です。

(例えば、急性の大腸性の下痢はお薬ですぐ治ることが多いです。)

  • 急性の小腸性下痢
  • 慢性の小腸性下痢
  • 急性の大腸性下痢
  • 慢性の大腸性下痢

症状によってこんな風に分類します。

たま
たま

下痢の原因はたくさんあるので、こういう風に整理しないと見落としが発生するんですよね。

小腸性下痢

小腸性下痢(小腸に原因がある下痢)の特徴は以下のようなものです。

  • 1回の排便量が多い
  • 排便の回数は変化しない
  • 痩せる

実際には、1回の排便量や排便の回数で小腸性の下痢を見分けることは難しいです。

なので、後述する「大腸性下痢ではない」ということを確認しましょう。

また、小腸は主に栄養を吸収している臓器です。

小腸に異常が起きると栄養の吸収ができなくなり、慢性経過では痩せていきます

たま
たま

小腸性下痢を見ることは少ないですが、重い病気が多いため、注意します。

大腸性下痢

大腸性下痢(大腸に原因のある下痢)の特徴は以下のようなものです。

  • 1回の下痢の量が少ない
  • 排便の頻度が多い
  • 便をきばるが、でない(「しぶり」と言います)
  • べたっとした下痢を出すことがある(粘液便)
  • 血がまじる
  • 痩せない

症状が特徴的なため、大腸性下痢を疑うことは比較的簡単です。

また大腸性下痢は、命にかかわるような大きな問題になることは少ないです。

たま
たま

「ちょっと下痢をしました」、「便にちょっと血がついてました」というときは、大体大腸性の下痢であることが多いです。

犬の下痢の原因

犬がお腹を壊し、下痢をする原因は何でしょうか?

実は動物病院で検査して、すぐに「原因は~~です」とはなりません。

下痢の原因は複雑で、原因を探している間に「治りました、ありがとうございます」みたいなことがよくあります。

ここではシンプルに、急性の下痢と慢性の下痢に分けて原因を解説します。

犬の急性下痢

犬の急性下痢の原因は色々ありますが、多くは治療によりすぐに良くなります。

では犬の急性下痢の原因を見てみましょう。

ウイルス性腸炎

人でもよくありますが、いわゆる「お腹の風邪」です。

原因となるウイルスのうち、代表的なものが以下の2つです。

  • パルボウイルス
  • コロナウイルス

コロナウイルスは深刻な問題になりません。

一方パルボウイルスは命に係わるような下痢を引き起こします。

(具体的に言うとシャバシャバの血便を大量にして、猛烈に嘔吐します)

たま
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パルボウイルス感染症は命にかかわるため、「絶対に予防しましょう」という病気に分類されます。

寄生虫性腸炎

寄生虫が腸に寄生することで下痢が起きます。

基本的に子犬で問題になることが多い原因です

ただ、駆虫薬を飲ませることで治るので、重篤な状態になることは少ないです。

代表的な寄生虫は以下のようなものです。

  • 犬回虫
  • 犬鞭虫
  • 犬条虫
  • ジアルジア(原虫)
  • トリコモナス(原虫)
たま
たま

昔に比べると減っているようですが、現在も普通にある病気です。

ペットショップからきてすぐ下痢をしている場合は、病院に行きましょう。

細菌性腸炎

腸内には普段も細菌がいます(腸内細菌叢、腸内フローラと言います)。

そのバランスが崩れ異常に細菌が増えると、下痢を起こします。

原因になると言われている細菌は以下のようなものです。

  • クロストリジウム(C.perfringens
  • カンピロバクター(Campylobacter spp.
  • サルモネラ(Salmonella spp.

他院で、「下痢にたくさん細菌がいて、それが下痢の原因です。」と言われたことがあるという患者さんによく出会います。

ですがそもそも、便の中にも細菌がたくさんいますし、顕微鏡で細菌を見ても形が同じです。

もしそういう獣医さんに出会ったら、「この人はヤブ医者か神の目を持ってるんだなあ…」と思ってください(笑)

たま
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細菌を倒す抗生剤を飲んで治ることもありますが、それは単純に日が経って治っているだけではないのかと思っています。

フードの変更、お薬の副作用

病気ではないですが、フードの変更や、お薬の副作用で下痢が起きる場合があります。

例えば一部の抗生物質は、副作用で下痢が起こることが知られています。

犬の慢性下痢

原因として色々な病気の可能性があり、急性下痢の場合と比較して問題が深刻な場合が多いです。

また普通は慢性経過(1か月以上下痢が続いている状態)になる前に、動物病院で何らかの治療を受けているはずです。

それが効いていないということは、より積極的に原因を見つけようとし、原因を直接治療しなければ治らない可能性が高いです

では代表的な犬の慢性下痢の原因を見ていきましょう。

抗菌薬反応性腸症

なぜか抗菌薬を飲ませると治る慢性の下痢の事を「抗菌薬反応性腸症」と言います。

原因はよくわかっていませんが、腸内の細菌のバランスが崩れるためだと言われています。

効く抗菌薬さえ見つかれば、治る可能性が高いです。

たま
たま

この病気は抗菌薬で治るので、何となく抗菌薬を処方されると治ります。

なので診断されることは少ない印象です。

食事反応性腸症

なぜか食事を変更すると、下痢が治まる場合を「食事反応性腸症」と言います。

食事反応性腸症が起こる原因は正確に解明されていませんが、簡単に言うとアレルギーのようなものだろうと言われています。

たま
たま

食事を変更する時は、アレルギーの治療に使われるフードを選択しましょう。

炎症性腸疾患(IBD)

腸管には多くの免疫細胞が存在しています。

そのバランスが崩れることにより起こる病気です。

診断するためには腸の一部をとって病理検査を行う必要があります。

ですが、病理検査を行ってもよくわからない場合があります

なので、他の病気を除外した後、ステロイドという免疫を抑える薬を試してみることで、治療と診断を同時に行うことが多いです。

この病気は治ることもありますが、治らないことも多く、一生お薬を飲み続ける場合もあります

たま
たま

よくわからない場合というのは、長い腸管の一部しかとっていないため正常な場所をとってしまった場合です。

蛋白漏出性腸症

消化管からタンパク質が漏れ出し、それと供に下痢が起こる病気です。

この病気は下痢が問題となるのはもちろんですが、体からタンパク質が失われるので、他にも色々な症状が出ます

例えば、胸やお腹の中に水が溜まったり、異常に痩せたり、肺に血栓ができて突然死する場合もあります。

原因は様々で、炎症性腸疾患に伴って起こることもあれば、原因不明の場合もあります。

診断は血液検査、超音波検査、内視鏡検査で行い、確定させる場合には病理組織検査を行います。

治療は、ささみなどの高たんぱく低脂質のご飯を与え、ステロイドなどの免疫を抑制する薬を飲むことによって行います。

ただ、コントロールがうまくいかないことも多い病気です。

たま
たま

最近の研究では、ステロイドが効かない症例に対して「ささみ」と「じゃがいも」のみの超低たんぱく食で治療できたという報告があります。

消化管腫瘍

消化管に腫瘍ができると、下痢を起こします。

よくある腫瘍は、腺癌、リンパ腫などで、細胞を見ることで診断します。

治療はどの腫瘍ができているかにもよりますが、外科的手術や抗がん剤により行います。

犬の下痢の治療

慢性の下痢は原因を突き止めて、その原因に対して治療を行います。

一方、急性の下痢は原因がよくわからない状態で対症療法を行う場合が多いです。

慢性の下痢を引き起こすような病気の治療は別記事で解説することとして、今回は急性下痢の治療法について解説します。

輸液

下痢をしている場合は、体から水分が失われているので、それを補給するために皮下補液を行います。

駆虫薬の投与

寄生虫は便を顕微鏡で見ることによって診断します。

しかし、実際に寄生しているにも関わらず、顕微鏡でわからない場合もあります。

そのため、寄生虫感染の可能性がある場合は試しに駆虫薬を飲ませてみることもあります。

飲ませるお薬は以下のようなものです。

  • プラジカンテル
  • パモ酸ピランテル
  • フェバンテル

これらをすべて含む商品がドロンタールプラスで、よく使われます。

たま
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駆虫薬は1回で効果が出て安いので、獣医師としても非常に試しやすくありがたいお薬です。

下痢止めの投与

みなさんが下痢になったらどうしますか?

多くの人は正露丸やビオフェルミンを飲むのではないでしょうか。

実は犬でも全く同じように、薬を飲ませます。

犬の下痢止めとして使われるお薬は以下のようなものです。

  • タンニン酸・ベルベリン
  • 次硝酸ビスマス
  • パンクレアチン
  • 乳酸菌
  • サラゾスルファピリジン
  • メサラジン

黄色のラインを引いたものは、それらを複数含むようなお薬として商品化されています。

(ディアバスターやビオイムバスター)

また、サラゾスルファピリジンやメサラジンは、腸の炎症を静めて、下痢を止める効果があるとされています。

たま
たま

ちょっと大腸性下痢をしているくらいであれば、下痢止めをいくつか処方すれば3日くらいで治ります。

抗菌薬の投与

細菌が異常に増殖しているかどうかを簡単に調べる方法はないので、抗菌薬を試しに飲ませてみます。

この時よく使われる薬は、メトロニダゾール(商品名:フラジール)という薬です。

抗菌作用と免疫調整作用があると言われているため、2つの経路で下痢を治療できます。

たま
たま

下痢をしていればとりあえずフラジールを出す獣医師も多いのではないでしょうか。

まとめ:犬の下痢

いかがでしたでしょうか。

犬の下痢は頻繁に起きる病気ですが、簡単なようで難しい病気です。

場合によってはしっかりと治療しなければいけないため、犬の下痢がなかなか治らない場合には、動物病院に行きましょう。

犬の下痢を予防することは難しいですが、十分な運動や食事など健康的な生活を心がけてあげましょう!

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