【治る?治らない?】猫の腎臓病を1から丁寧に解説!

猫との暮らし

こんにちは、たまです!

今回は「猫の腎臓病」について解説します。

この記事は

  • 飼っている猫が腎臓病と診断された方
  • 猫の腎臓病ってなに?と思っている方
  • 猫がなりやすい病気について知りたい方

におすすめです。

猫が腎臓病になりやすいという事実は、猫好きの方には周知の事実かもしれません

ですが、腎臓病がどんな病気かご存じですか?

猫の腎臓病は、「治らないが、進行を遅くすることができる病気」です。

たま
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今回の記事では「腎臓って何?」という方にも理解できるくらい分かりやすく解説するので、一緒に見ていきましょう!

腎臓って何をする臓器?

では腎臓とは何をしている臓器なのかから解説していきましょう。

腎臓は、血液から要らないものを取り除き、尿として排泄する臓器です。

要らないものとは、全身の細胞から出る老廃物や余分な電解質(簡単に言うと塩分)などで、非常に多くの物質の排泄に関わっています。

また、腎臓は様々な物質を分泌し、体を正常に保っています。

代表的なものは、エリスロポエチンとレニンという物質です。

エリスロポエチンは血を作らせる働きを持っており、エリスロポエチンの働きにより、普段は十分な量の血が確保されています。

レニンは、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAAS)と呼ばれる一連のシステムにより、血圧を上昇させています。

(腎臓は血圧の低下を感知してレニンを分泌します。賢いですよね。)

たま
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腎臓は想像以上に働いているので、様々な症状が出ます。

腎臓病ってどんな病気?

では腎臓病はどんな病気なのでしょうか。

一言で言うと腎臓病とは、「腎臓が働けなくなった病気」です。

ではもっと詳しく見ていきましょう。

腎臓病の原因

腎臓が働けなくなる原因は多くあり、自然発症以外にも毒物を食べることにより腎臓が働けなくなった場合も腎臓病(正確には腎不全)と言います。

ですがそこまで解説しているときりがないので、今回は最も一般的(多い)な猫の慢性腎臓病の原因を解説します。

猫の慢性腎臓病の原因は完全に解明されたわけではありませんが、以下のような要因が関わっていると言われています。

  • 腎臓が自分の免疫により傷つけられること
  • 年齢とともに邪魔な物質(アミロイド)が蓄積すること
  • 尿結晶により傷つけられること
  • タンパク質が蓄積すること

これらが複雑に絡み合い、悪循環に陥ると慢性腎臓病の症状が出ます。

たま
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慢性腎臓病は「Chronic Kidney Disease(CKD)」とも言います。

腎臓病の症状

猫の腎臓病の症状は本当に色々です。

腎臓はあまりにも色々な機能を持っているため、症状が複雑になります。

分かりやすい症状は以下のようなものです。

  • おしっこが薄く、量が多い
  • 嘔吐する
  • 元気がない
  • 食欲がない
  • 歯茎が白い(貧血)

腎臓が悪くなると、尿が濃縮できなくなり、薄い尿を大量にするようになります

また、老廃物が体にたまるので、元気や食欲がなくなり嘔吐するようになります。

さらに、エリスロポエチンの分泌がうまくできなくなり、貧血を起こす猫もいます。

たま
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飼っている猫が年をとってきて「最近よくおしっこをするなあ」と思ったら、一度動物病院で尿検査をしましょう。

腎臓病の診断

腎臓病の診断は、尿検査と血液検査によって行います。

腎臓病の場合には、尿検査で尿比重(尿の濃縮具合)を調べると低比重となり、血液検査では、血液尿素窒素(BUN)と血中クレアチニン濃度(Cre)が高値となります。

また、尿タンパク/クレアチニン比(UPC)、血圧といった指標を使って重症度を考えます。

重要なのは、尿検査と血液検査のどちらもする必要があるということです。

たま
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どちらか片方しか検査しないと、誤診することがあります。

猫の腎臓病ステージ分類

猫の腎臓病ステージ分類は、国際獣医腎臓病研究グループ(IRIS)という団体により作られ、多くの病院で使われています。

医療関係者でなければ少し難しいかもしれませんが、ぜひ読んでみてください。

慢性腎臓病の病期分類アルゴリズム【猫】 | 犬と猫の慢性腎臓病の治療
犬と猫の慢性腎臓病の治療 - 慢性腎臓病の病期分類アルゴリズム【猫】

この記事ではIRIS分類に基づいて、わかりやすく腎臓病のステージ分類を解説します。

詳細は各項目で説明しますが、簡単に説明すると、まず血中クレアチニン濃度により腎臓病の進行の度合いを判定します。

次に、尿タンパク/クレアチニン比と血圧を測定することで補助的な治療の方針を決めていくという感じです。

血中クレアチニン濃度(Cre)による分類

血液検査により、血中クレアチニン濃度を調べ、その数値により腎臓病の程度を分類します。

  • Stage1(ほぼ正常)

血中クレアチニン値:~1.6 mg/dL

症状がない状態で、尿検査で若干尿比重が低い程度のステージです。

「健康じゃないか!」という声が聞こえてきそうですが、腎臓はかなり(残り30%くらい)機能が落ちないと、血液検査上の数値が変化しません。

なので、普段から注意しましょうという意味を込めて、Stage1に分類しています。

  • Stage2(軽傷)

血中クレアチニン値:1.6~2.8 mg/dL

ここからが本格的な腎臓病という段階です。

このステージから、よく水を飲んだり、おっしこの量が多い等の症状が出てくる子がいます。

ちなみにこの段階で生き残っている腎臓の機能は25~30%と言われています。

  • Stage3(重症)

血中クレアチニン値:2.8~5.0 mg/dL

重度の腎臓病の段階です。

水を飲む量が増えたり、おしっこの量が多いのはもちろんの事、貧血、元気の消失といった様々な症状が出てきます。

この段階で残っている腎臓の機能は、10~25%と言われています。

  • Stage4(超重症、末期)

血中クレアチニン値:5.0~ mg/dL

末期の腎臓病で、簡単に言うと「死にかけ」の状態です。

症状は、うまく動けない(尿毒症の症状)、食欲が全くないなどです。

入院しなければ延命を望めず、何もしなければ数日で死んでしまいます。

この段階で残っている腎臓の機能は、10%以下と言われています。

尿蛋白/クレアチニン比(UPC)

尿にタンパク質が出現しているかどうかの指標です。

UPCが0.2以下なら正常で、それより大きな数字が出た場合は、尿にタンパク質が出ているということになります。

尿にタンパク質が出ると、腎臓病の進行が早くなるので、UPCが高い場合には追加でお薬を飲ませます。

血圧

腎臓病では、高血圧になりやすくなります。

収縮期血圧(血圧の高いところ)が150 mmHg以下が正常で、それ以上になると血圧が高くなるに従って色々な臓器に問題が出ます。

問題の例を挙げると、高血圧が網膜の血管に作用し、失明することがあります

猫の腎臓病の治療

猫の腎臓病を治療するにあたり知っておくべきことは、「腎臓は回復することがなく、今ある腎臓の機能を守っていく治療になる」ということです。

「回復することがない」とだけ聞くと、治療を止めたくなるかもしれません。

しかし、きっちり治療を続ければ、20歳近くまで生きる腎臓病の猫も多いのが事実です。

ぜひ諦めないで、少しでも多くの時間を一緒に過ごせるよう頑張りましょう。

では詳しい治療を解説していきます。

輸液

腎臓病において最も重要な治療です

腎臓病になった猫は尿を濃縮できず大量の尿をするので、脱水します。

また、必要のないものを適切に排泄できないので、大量の尿で要らないものを排泄する必要があります。

そのため、水分を補給することが非常に重要になります。

状態によって回数は変わりますが、週に2~3回皮下補液に通ってもらうか、自宅で皮下点滴を行ってもらいます。

Stage4の猫では血管から輸液します(点滴)。

食事療法

腎臓病の猫には食事療法も非常に重要です

Stage2以上の猫では各社から販売されている腎臓病療法食を食べさせることが推奨されています。

各社の腎臓病食に特色はありますが重要なことは、「リンの制限」と「消化吸収の良いタンパク質を含むこと」です。

動物病院で「慢性腎臓病」と診断され、どんなフードを使おうか迷っている方は、以下の商品を使っておけば大丈夫です。

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注意点として、猫はご飯の好き嫌いが激しいので、各社の療法食を少量買って、食べるものをあげる事が重要です。

リンの制限

リンという物質が体の中には存在し、骨を作ったり、細胞膜を安定化させたりしています。

しかし、腎臓病になるとリンの排泄がうまくいかなくなり、血中のリン濃度が上昇します。

血中のリン濃度が上昇すると、体が反応し、骨を溶かしてカルシウムを多く作ろうとします。

それにより骨がもろくなると同時に、全身(腎臓も含む)に骨の元を作ってしまい(石灰沈着と言います)色々な臓器にダメージを与えます。

そのため、腎臓病の猫の食事は、含まれるリンの量を少なくしています

たま
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リンを吸着するお薬も存在します。

消化吸収の良いタンパク質を含む

猫は肉食動物(犬は雑食)なので、食事に含まれるタンパク質を多くする必要があります。

しかし、タンパク質は分解される過程で尿素窒素(老廃物)を作ってしまうため、腎臓病の猫にとっては良くありません。

なので、そういう老廃物をあまり出さないようなタンパク質が含まれている食事に変更する必要があります。

たま
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腎臓病食はこの辺りも考えて作られています。

薬による治療

輸液療法と食事療法とともに、薬による治療を行います。

腎臓病を治すために毎年色々な薬やサプリメントが開発・販売されていて、実際何が効果があるのかは難しいものがあります。

ここでは、IRISのガイドラインに記述があるものについて解説します。

(以下は十分な輸液が行われている前提での治療法です水分補給なしでお薬のみで治療することはやめましょう。悪化します。)

Stage2

タンパク尿や高血圧がある場合のみお薬による治療を行います。

タンパク尿に対しては、アンジオテンシン変換酵素阻害薬と呼ばれる薬を使用します。

この薬は、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系を邪魔するようなお薬で、タンパク質が尿から漏れ出るのを防ぐ効果があります。

また、同じような理論で効果を出す、アンジオテンシン受容体阻害薬と呼ばれる薬も登場しています。

また、血圧を下げる効果もあります。

高血圧に対しては、カルシウム拮抗薬と呼ばれる薬を使用します。

血管はカルシウムの力で細くなり、血圧を上昇させるので、それを邪魔するような薬です。

以下によく使われる商品をまとめておきます。

  • アンジオテンシン変換酵素阻害薬

エナラプリル(商品名:エナカルド)、ベナゼプリル(商品名:フォルテコール)

  • アンジオテンシン受容体阻害薬

テルミサルタン(商品名:セミントラ)

  • カルシウム拮抗薬

アムロジピン(商品名:アムロジピン)

たま
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どの薬を使うかは、動物の状態と獣医師の考え方により決定します。

Stage3

Stage3になると色々な症状が出るため、Stage2の治療に加えて、各症状に対して治療を行います。

リンの数値が高い時には、リン吸着材を使います。

リンの吸着剤は、その名の通りリンを吸着させ、吸収を低下させる薬です。

貧血が起こっている場合には、輸血、エリスロポエチン製剤の投与が行われます。

嘔吐がひどい場合には、吐き気止めを投与します。

以下によく使われる商品をまとめておきます。

  • リン吸着材

商品名:カリナール、ネフガード、プロネフラなど

  • エリスロポエチン製剤

エポエチンベータ(商品名:エポジン)、ダルべポエチン(商品名:ネスプ)など

  • 吐き気止め

マロピタント(商品名:セレニア)、メトクロプラミド(商品名:プリンペララン)など

Stage4

Stage4では、薬の増量と静脈点滴を行います。

また、国内で実施できる施設は限られていますが、透析を行うことで延命できる場合もあります。

たま
たま

ただ透析は非常にお金がかかります…

猫の腎臓病の予防

猫の腎臓病を完全に予防することはできませんが、ある程度効果がある予防法があります。

ちなみに、腎臓病に効くというサプリが世間には多く存在しますが、国際獣医腎臓病研究グループ(IRIS)で認められているサプリメントは存在しません。

たま
たま

効くかどうかわからないものにもお金を使えるのならば、飲ませてみてもいいのかなと思います。

飲水量を増やす

水が湧き出るような容器を使ってみたり、容器の素材を変えるだけでも飲水量が増加する場合があります。

ぜひ試してみてください。

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健康診断をする

早期発見も予防の1つです。

猫の腎臓病は若い時に発症する場合もありますが、基本的には年齢とともに発症するものなので、6~7歳くらいから定期的に健康診断に動物病院に行きましょう。

まとめ:猫の腎臓病

いかがでしたでしょうか。

できるだけわかりやすく解説しようとしましたが、やっぱり猫の腎臓病は複雑で難しいですね。

猫の腎臓病は治らない病気ではありますが、きちんと管理してあげれば長生きできるので、諦めることなく頑張って治療してあげましょう

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