【猫が吐いた】猫の三臓器炎とは何かわかりやすく解説

猫との暮らし
画像出典:Unsplash

こんにちは、たまです!

今回は「猫の三臓器炎」について解説します。

この記事は

  • 猫が頻繁に嘔吐して困っている方
  • 動物病院で三臓器炎と診断されたが、よくわからなかった方
  • 猫がなりやすい病気に興味がある方

におすすめです。

猫の三臓器炎とは「胆管炎、膵炎、胃腸炎という3つの病気が組み合わさった病気」です。

猫の三臓器炎は嘔吐の原因になることが知られています。

では猫の三臓器炎とはなにか一緒に見ていきましょう!

たま
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猫の三臓器炎は一般的にあまり有名な病気ではないですよね。

猫の三臓器炎とは

猫の三臓器炎とは、猫の胆管炎、膵炎、胃腸炎が併発した病気です。

猫ではこの3つの病気が併発することが多く、こういった名前がついています。

症状は、食欲不振、嘔吐、黄疸、お腹の痛み、下痢などです。

たま
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三臓器炎とは言いますが、2つの病気のみが同時に起こることもあります。

猫の胆管炎

胆管炎は、肝臓の中にある胆管という管が炎症を起こした状態です。

症状は主に嘔吐で、黄疸がみられる場合もあります。

ちなみに、胆管は肝臓で作られた胆汁(消化液)を胆嚢と呼ばれる袋に運ぶ役割を持っています。

胆嚢に運ばれた胆汁は、総胆管という管によって十二指腸へ運ばれ、分泌されます。

胆管炎の種類

胆管炎は大きく2つの型に分類されます。

たま
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診断の方法は後ほど解説しますが、型によって治療法が変わるので、できるのであればきっちりと分類したほうがいいです。

好中球性胆管炎

好中球性胆管炎は、胆管炎の中でも、好中球と呼ばれる免疫に関係する細胞が多くみられる胆管炎です。

原因として、十二指腸から総胆管、胆嚢、胆管と細菌が逆流するということが考えられています。

リンパ球性胆管炎

リンパ球性胆管炎は、胆管炎でも、リンパ球と呼ばれる免疫に関係する細胞が多くみられる胆管炎です。

原因は不明ですが、かなりゆっくり進む病気であることは分かっています。

猫の胆管炎の診断

猫の胆管炎は、症状や血液検査、超音波検査で疑うことができます。

しかし、きっちりとした診断を下そうとすると、腹腔鏡か開腹して肝臓の一部を取る作業が必要になります。

したがって、胆管炎疑いという形で治療を行う場合もあります。

たま
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ただあくまでも基本は、肝臓の一部をとって診断をすることです。

猫の胆管炎の治療

治療には以下のような薬を使います。

抗菌薬

好中球性胆管炎は、細菌感染なので抗菌薬で治療します。

ポイントとして、抗菌薬を長期間使用する必要があります。

使われる薬は、エンロフロキサシン(商品名:バイトリル)、オルビフロキサシン(商品ビクタス)、アモキシシリン-クラブラン酸カリウム(商品名:オーグメンチン)などでしょう。

お薬が飲めない猫の場合は、2週間効果があるとされる抗菌薬のセフォベシン(商品名:コンベニア)を注射されることが多いです。

たま
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チュールに混ぜたりすると、意外と薬を飲んでくれる猫は多いです。

ステロイド

リンパ球性胆管炎は、ステロイドにより治療します。

ステロイドによる治療は副作用の心配もあるため、肝臓の一部を取って検査した後に使われる場合が多いです。

薬が飲める猫にはプレドニゾロンが処方されます。

飲めない場合には、長期間効果があるステロイドの、メチルプレドニゾロン酢酸エステル(商品名:デポ・メドロール)が注射されることが多いです。

たま
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長期間効果があるステロイドを何回も注射すると、糖尿病になるリスクがあります。

ウルソデオキシコール酸

胆汁をサラサラにして、排出しやすくする効果があります。

どちらの胆管炎の場合も使用します。

たま
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副作用も少ないので、獣医師としては処方しやすいお薬です。

猫の膵炎

猫の膵炎は、ゆっくりと進行する病気(慢性疾患)で、症状は主に嘔吐です。

原因は未だに解明されておらず、急性膵炎に一旦なった後に慢性膵炎に移行するのか、なにかしら別のきっかけで慢性膵炎が起こるのかも不明です。

たま
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誰か解明してくれませんかねえ…

猫の膵炎の診断

膵炎は、膵臓の一部を切り取り、顕微鏡で観察することで診断します。

しかし、実際に動物病院でここまでやることはありません。(大学病院などの大きい病院では行います)

普通の動物病院では、採血を行い、膵特異的リパーゼというものを測定し、併せて超音波検査で膵臓を確認することによって診断します

たま
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細かいことを言うと、普通の動物病院での診断法は、完全な診断ではなくあくまでも予想です。

猫の膵炎の治療

猫の膵炎の治療にこれといった決まったものはありません。

なので治療法は主に対症療法で、嘔吐に対して吐き気止め、脱水があれば点滴を行います。

また、膵炎は痛いことが多いので、鎮痛薬も投与します。

使われるお薬を以下にまとめます。

  • 吐き気止め

メトクロプラミド(商品名:プリンペラン)、マロピタント(商品名:セレニア)など

  • 鎮痛薬

ブトルファノール(商品名:ベトルファール)、ブプレノルフィン(商品名:レペタン)など

たま
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猫の膵炎は、症状を押さえていればなぜか自然と治っている印象です。

猫の胃腸炎

胃腸炎はみなさんも分かりますよね?

ただここで言う胃腸炎は、専門用語で「炎症性腸疾患(IBD)」というものです(最近は「免疫抑制薬反応性腸炎」とも言います)。

皆さんが考える胃腸炎の多くはウイルス性の胃腸炎ですが、この胃腸炎はウイルス感染がなくても起こります

簡単に言うと、自分の免疫が胃腸を攻撃してしまう胃腸炎であると考えられています。

ただ症状は皆さんが考える胃腸炎と同じで、嘔吐や下痢などです。

たま
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このように胃腸炎にも色々分類があるんですよね。

猫の胃腸炎の診断

診断は、他の胃腸炎の原因を1つずつ否定することから始まります。

色々な検査を行い、最後に炎症性腸疾患が疑わしいとなった後に、内視鏡で胃腸のほんの一部を取ってくるか、開腹して胃腸の一部を取って、顕微鏡で観察することで診断します。

たま
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他の病気を否定していく診断法を、除外診断と言います。

猫の胃腸炎の治療

治療は主にステロイドによって行います。

この病気の厄介なところは、ステロイドを飲んでいる間はいいのですが、一旦飲むのをやめると再発する可能性があることです。

なので多くの場合、副作用の心配がないほど少量でステロイドを続けるか、シクロスポリンという免疫を抑える薬を飲ませます。

たま
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シクロスポリンは最初こそ副作用が出ますが、そこさえ乗り越えれば副作用もなくいいお薬です。

まとめ:猫の三臓器炎

色々書きましたが、猫の三臓器炎は、胆管炎、膵炎、胃腸炎が組み合わさった病気であると理解していただけたでしょうか。

気づいた方も多いかもしれませんが、含まれている3つの病気の症状は似ており、特に嘔吐が目立ちます。

三臓器炎で死ぬことはほとんどありませんが、猫が嘔吐により急激な食欲不振になると、肝リピドーシスという怖い病気になることがあります。

犬と違って猫は頻繁に吐く動物ではないので、一日に何回も吐いているようなら、三臓器炎や他の病気を疑って動物病院へ行きましょう。

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